それは昨年(平成18年)の春のこと。私たち姫路市民なら生姜醤油(醤油にすりおろした生姜を入れたもの)で食べるごく普通なおでんを、観光客の人が食べながら一言「姫路のおでんは変わった食べ方をするんですね?」 これを聞いた前川さん(姫路おでん普及委員会長)のランプがパカッと点灯。播州ハムの堀田さんも加わって、姫路を中心にどの地域まで生姜醤油でおでんを食べているかを調査。結果、姫路を中心に西は相生、東は加古川周辺に限られていることが判明。姫路おでんを全国にアピールしようと姫路おでん探検隊が結成され活動を開始。
その後マスコミに次々取り上げられ、姫路おでんがブレイク中です!
この秋、姫路おでんを愛する有志によって姫路おでん普及委員会が発足。 私も前川会長にお誘いを受け、姫路おでん普及委員会の会員になりましたが、ケーキとおでんはあんまり関係ないなあと思っていました。
おでんケーキを作ってみたら!?なんて委員会内で盛り上がりつつも、心の中では「ケーキ屋がおでんケーキみたいなヘンテコなもの作れるもんか」と思っていました。 |
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ところが、ある日妻が作ってくれたおでんを食べながら、おそ松くんのチビ太がいつも持っていたおでんが頭に浮かびました。「こんな形のケーキって面白いやろなぁー」とランプがピカピカ点灯! |
しかしおでんケーキを作るからには、最初にイメージした「ヘンテコなもの」にはしたくないという思いが強くありました。形はもちろん、味にも絶対に妥協したくない!
そこから試行錯誤を繰り返し、形も色もおでんらしく、そして何より姫路のおでんなんだから、姫路のおいしい食材を使わないと!と、とことんいろんな食材を試してみました。
そうして、一番上の△のこんにゃく部分には、色もぴったりな古代米「紫黒米(しこくまい)」の米粉を練りこんだロールケーキをなんとかうまく三角形に巻き込みました。
まん中の卵の部分は、わが社の看板商品である「アマンドクィーン」。
一番下のちくわの部分に「赤米」の米粉を練りこみ、ちくわ型に丸く整えたロールケーキ。この三点を串に刺しました。
この串も、普通の竹串だとすぐにケーキがずり落ちてきてしまったので、平たい竹串に変えました。 古代米(紫黒米と赤米)は、地元姫路市夢前町で無農薬米などを作る「夢前夢工房」の衣笠さんが育てた、ビタミンやミネラルたっぷりのものを使用しています。
しかし、まだなにか足りない?そうです、姫路おでんにはなくてはならないもの。「生姜醤油」です。ただ生姜はそのままでは非常に香りがきつい。ふつうに粉としてふりかけると味が強すぎて、ケーキの味が消えてしまう。砂糖をちょっと加えたり、生姜の量を調節したりと試行錯誤を繰り返し、ようやくケーキにふりかけてもおいしい自家製生姜パウダーが完成しました。
そして出来上がったのが、串に刺しているので歩きながらでも食べられる和スイーツ「姫路おでんケーキ」です。
実は調整を繰り返していてまだ発売していなかった頃に、朝日新聞の平成19年11月7日付けの経済・くらしの紙面で先に取り上げていただき、それをきっかけに発売に踏み切りました。
いまのところ割と評判がいいみたいで、心からほっとしています。ぜひこのおいし〜い”姫路おでん”のでき具合をご賞味いただければ…と思います。
こちらのおでんケーキはインターネットでも購入できます。
▲おでんケーキの特設ページへ
※神戸新聞の「正平調」(2008/04/13)に姫路おでんケーキのことが掲載されました!
(2008/05/03 更新)
はじめコラム バックナンバー
Vol1. 大手前通り (2006/01/24)
Vol2. 「銀の馬車道」と「ゆずマドレーヌ」 (2006/07/09)
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